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最期を生き抜く手助けを、在宅看取り研修会を開催 ―。

7月13日、京都大原記念病院グループ 在宅部門のスタッフを対象とした「在宅看取り研修会」を開催しました。今後、団塊世代の高齢化に伴い、在宅での死亡者数の増加が見込まれています。また終末期から看取りまでを病院から在宅へと促す世の中の流れもあり、今後在宅で看護師や介護職その他専門職の果たすべき役割は大きくなると、6月の平野デイサービスセンターでの開催に続き、上高野デイサービスセンターで開催しました。

 

講師は同グループ 訪問看護ステーションたかの 管理者 平石ひとみ(京都府立医科大学 在宅緩和ケア推進看護師養成コース修了)さんが務めました。研修会には、看護師、訪問介護スタッフ、デイサービス介護スタッフ、管理栄養士、ケアマネジャー、相談員等、約30名が参加し、日頃、現場での自身の対応などを思い浮かべながら研修に臨みました。

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今回のテーマは「エンド・オブ・ライフ・ケア」。1990年代からアメリカやカナダで高齢者医療、緩和ケアを統合する考え方として提唱されているもので、がんのみならず、認知症や脳血管障害など、広く高齢者の疾患を対象としたケアを目指しているものです。病いや老いなどにより、人が人生を終える時期に必要とされるケアを指し、基本的な考え方は①その人の生活・人生に焦点を当てる。②患者・家族・関わるスタッフが、死を意識した頃から始まる。③疾患を限定しない。の3つです。

 

日本では自宅で最期を迎える方約15%に対し、病院で最期を迎える方が約80%と圧倒的に多数を締めています。これは必ずしも病院で最期をとの希望に基づくものではなく、多くは最期を自宅で迎えたいと考えながらも「家族(介護者)に負担をかけてしまうのではないか・・・」「急変してしまった時にどうしようか・・・」といった不安が大きな理由です。住み慣れたご自宅で最期まで生き抜くためにも、今後は在宅での看取りは非常に重要となります。

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エンド・オブ・ライフ・ケアに於いては「Not doing, but being(何かをすることだけでなく、患者・家族と寄り添い続けること)」が重要と考えられています。講師は「時々、看取りを迎えられた患者様に何もできることがない。どうしたらいいだろう?」と若いスタッフから相談を受けることがあるといいます。この時は「患者様に寄り添い共にいることで、その人が何を考えているか?それに気づけることがある。それが結果として、その人の不安を取り除くことになる」とアドバイスしているとのことです。

 

在宅緩和ケアの本質は「考えること」です。病態を考え、予測・見通しを立てたケアを実践すること。苦痛を考え、QOL(≒生活の質)の向上を目指すこと。対策を考え、自宅で実践できる方法を見出すこと。患者・家族を考え、力を引き出すこと。そして常に考え続け、(患者・家族と)共に歩んでいくこと。

在宅緩和ケアの本質はこれらにあり、援助者には感性、誠実さ、謙遜、忍耐、愛情といった姿勢が求められます。お家に自然に溶け込むこと。ほほえみ・笑顔・丁寧な言葉遣い。話しやすい雰囲気、肯定的な表現。病気だけでなくその人に関心を寄せるなど、こうした対応を「今一度改めて自身を振り返るとともに、今後に反映してもらえれば。」とし、紹介しました。

あわせて、より質の高いケアの実践を目指すうえでは「多職種でアプローチすることでその可能性は広がります。訪問看護ステーションたかのでは、IC(インフォームドコンセント)を行うタイミングで訪問診療と同行訪問を行ったり、亡くなられたから関わった全ての全ての事業所が集まってデスケースカンファレンスで振り返りを行ったりなど多職種と混ざり合うことを積極的に行うように心がけていますが、今回の様な研修会もそうしたチームアプローチのきっかけになることを願って続けていきたい。」として、会は終了しました。

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参加者からは「どれだけ家族に寄り添いながら対応できるか?どこまで話し込んでよいものか?悩みながら対応にあたっています。今回の研修がそのヒントになりました」(訪問介護スタッフ)といった感想や、「余命宣告を受けても、「そんなバカな!?」と受け入れられない利用者や家族もいらっしゃる。そうした方への対応はどう心がけたら良いだろうか」(ケアマネージャー)といった質問もあがり、これに対し「自分の死を受け入れることが全てではない。まずは相手の言葉に耳を傾け率直に答えること、そして本人の中にある葛藤を感じ取ることが大切ではないか。」と回答した。

 

今回は概念的な内容をメインとして開催しましたが、今後は実務的な内容も交えて、スタッフ間の情報共有、研鑽の場として継続的に開催し、患者様・利用者様の不安を取り除き、いつでも安心して、ご満足していただけるよう日々邁進して参ります。

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