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【おおはらリハビリ日記】親身な指導で徐々に回復 交通事故の後遺症で記憶と視野と運動に障害 

一日も早い回復を願って、毎日一生懸命にリハビリに取り組む

患者さんの日常をご紹介する「おおはらリハビリ日記」のコーナー

 

201702
今回はSさん20代(取材当時)・男性に話を伺いました。

 
▼記憶と視野と運動に障害 親身な指導で徐々に回復
交通事故の後遺症でさまざまな障害があります。記憶障害や複視など視野障害、滑舌や体の動かし方など言語面の問題、ひざや股関節の動かし方など運動面の障害など多岐にわたります。それでも事故から生き伸びてリハビリのおかげで自力歩行までできるようになったのですから、今度は退院後の社会復帰に向けてさらに励んでいきたいと決心しています。
 
言語療法の時間は小説の音読や、多数の記号のうちから指定された模様を見つけ出す実習、漢字の同音異義語の書きとりなどを行います。音読ではカ行が苦手で時々詰まるのですが、それでも言葉が明瞭に出せるようにはなりました。柴田さんからは抑揚をつけて読むように指導を受けています。
 
作業療法の時間には、記憶する能力を回復させるため、新聞を読んで記事の内容を要約して説明します。別のメニューをこなした数十分後に、内容を再び聞かれることがあるので油断できません。また今日が何月何日か聞かれることがあるので、事前に意識して覚えこむようにしています。運動面ではゴムボールを投げたり打ったりもします。野球部にいたので慣れているはずなのですが、ボールが二重に見えるし、ひざや足首が突っ張ったままで円滑に動かせず、もどかしい限りではあります。
 
理学療法の時間には股関節や足首の曲げ伸ばし、大臀筋のストレッチで始めてもらいます。メニューには、そんきょ姿勢での横歩き、反復横とび、サイドステップでの数十メートルほどの往復を行います。病院の外周路のジョギングも行いますが、がに股走りになってしまいます。歩く時に右足が外に流れることと、階段を降りるときに怖いのが課題です。それでも大原に来たときには車いすが手放せなかったことを思えば、良くここまでやってこられたと振り返っています。
 
▼交通事故から奇跡の生還 励まされ気持ち前向きに
8月20日午前1時40分ごろ、京都市下京区の七条高倉交差点で、バイクで信号待ちをしていたところ乗用車に追突されてはね飛ばされました。現場近くの人が救急車を呼んでくれて病院に搬送されましたが、頭を強く打っており、局所性脳挫傷、びまん性軸索損傷、頭蓋内損傷と診断されました。症状としては全身まひや意識障害があり、段々と意識が戻りましたがチューブで栄養を摂る状態でした。車いす生活で記憶障害もあり、物が二重に見える複視や眼球下垂で、他の人とまともに目も合わせられない状態でした。
 
そんな中で京都大原記念病院を紹介されて、事故から一か月後に転院しました。実は、自分に何が起きたか明確に思い出したのは転院から10日ほどたってからです。それからは悔しい気持ちが高まり、10日間ほど情緒不安定で涙を流し続けていました。
 
それでも、自分と年の近い療法士の皆さんが親身になったリハビリの指導をしてくれます。他のスタッフも顔を合わすとあいさつして声をかけてくれます。そのような中で、「今できることはリハビリ。周囲の期待に応えよう」と前向きに気持ちを切り替えることができました。
 
両親が仕事の合間を縫って週に3、4日見舞いに来てくれて、療法士さんの時間が終わると両親が引きついで、筋肉が固まってしまわないように手や足のマッサージや関節ほぐし、皮膚の刺激を2時間ほど行ってくれるのも励みになりました。
 
3月の退院後はまず職探しから始めないといけないのですが、そのためにもまずリハビリに努め、仕事を出来る体を作りたいと励んでいます。
 
▼リハビリテーションプロフィール
Sさん(25歳、京都市山科区)書き初めに「感動」と記した。「今生きているのは奇跡のレベル。周りの人に支えてもらっていることへの思いを記した」という。
 
事故の後は「生存率が5%以下、生きられても植物状態」と言われた。それでも両病院の適切な処置と親身なリハビリのおかげで日ごとに良くなっていくのを感じているという。
 
中学、高校と野球部、大学ではテニスを行ってきたスポーツマン。それだけに体のひねりやひざの曲げ伸ばしもおぼつかない今の状態には抵抗はあるものの、今できることを大切にしようと気持ちを切り替えている。
 
事故の前は人材派遣会社の派遣社員として電気部品の組み立て作業を行ってきた。だが運動機能や目に障害が出たので、退職手続きを取らざるを得なかった。これからも組み立ての仕事は無理なので不安がある。退院後の生活に向けて京都市のリハビリテーション推進センター(中京区)に相談に行くことにしている。
 
それでも「主治医の先生はじめ療法士、看護師、ケースワーカーら関係する皆さんのおかげでここまで回復させていただきました。家族ともども京都大原記念病院との出会いに感謝しています」と、両親ともども話してくれた。
 

前回のお話はこちら ⇒https://kyotoohara.or.jp/news/detail.php?id=2014

次回は2月1日にご紹介いたします。

 

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