2018/04/16
認定看護師になるには?必要な条件や流れについて
看護
こんにちは!京都大原記念病院です。
特定の分野において高度な知識と技術、経験を持つ「認定看護師」。
看護のスペシャリストである認定看護師になるためにはどのような条件があるのでしょうか。
今回は「認定看護師」について詳しくご紹介。
認定看護師になるための条件や資格取得の流れ、資格取得後の働き方などについてお話します。
看護のスペシャリスト「認定看護師」とは?
認定看護師(CN : Certified Nurse)は、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することが日本看護協会より認められた看護師のことを言います。
認定看護師は特定の看護分野において、以下の3つの役割を果たします。
1)実践
個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。
2)指導
看護実践を通して看護職に対し指導を行う。
3)相談
看護者に対しコンサルテーションを行う。
(公益社団法人 日本看護協会より引用)
特定の看護分野において深い知識と高い看護技術を持つ認定看護師。
看護のスペシャリストとして現場での看護実践以外にも後輩の指導育成、病院内外に向けたコンサルテーションなど、その役割と影響力も大きな仕事と言えます。
2017年時点での認定看護師資格取得者は累計で約18,700人 。
今後もさらに資格取得者が増えることが予想されます。
認定看護師になるまでの道のり
認定看護師審査を受けるためには通算5年以上の実務経験が必要で、そのうちの3年以上は取得を希望する認定看護分野で経験を積む必要があります。
その後、認定看護師教育機関で6カ月、615時間以上の教育課程をクリアしなければなりません。
授業は平日の昼間に行われることがほとんどのため、看護師の多くは一度仕事を休職するほか、長期出張扱いにしてもらうなどしながら学んでいます。
また、認定看護教育機関は全国に約100ヵ所ありますが、全ての学校で全ての分野が開講されているとは限りません。
極端なケースだと全国で1ヵ所しか開講していないという分野もあり、多くの方は一時的に学校の近くに引っ越しをして通うことになります。
資格取得までにかかる時間もそうですが、自分自身の将来設計と照らし合わせ計画的に取り組まないと難しいことも多く、ハードルの高い資格と言えるでしょう。
受験の条件と資格取得までの流れ
受験の条件
1)日本国の看護師免許を有すること。
2)実務研修が通算5年以上あり、うち3年以上が認定看護分野の実務研修であること。
3)認定看護師教育機関で6カ月、615時間以上の教育課程を終了していること。
認定試験とその後の流れ
毎年5月 認定審査
審査より2か月後~ 合格者発表、認定看護師認定証交付・登録
その後5年ごと 更新申請・審査(看護実践と自己研鑽(けんさん)の実績について書類審査)
認定審査では認定看護師教育基準カリキュラムに沿った基礎知識が主に出題されるため、難易度はそれほど高くはなく、合格率は90%以上となっています。
もし不合格の場合でも再度研修を受ける必要はなく、同じ分野の試験であれば翌年に再度受験することができます。
21の認定看護分野
認定看護分野として特定されている分野は、以下の21分野です。(2018年2月現在)
認定看護分野一覧
(公益社団法人 日本看護協会より引用)
認定看護師の役割や待遇について
認定看護師になると働き方のどの様な部分が変わるのでしょうか。
認定看護師に求められる役割
認定看護師は特定の分野において深い知識や高度な技術、たくさんの経験を有しており、それらを用いてより高度な看護を提供することが求められます。
さらに現場での看護の提供だけではなく、後輩の指導育成や看護者に対するコンサルテーションといった「指導」「相談」の役割もあります。
所属する部署や病院を飛び越え、院内勉強会や院外セミナーを企画・運営するなど複数のチームや組織を飛び歩くような活動が増えるでしょう。
認定看護師資格取得による待遇の変化
日本看護協会の調査によると、認定看護師資格に対して資格手当を支払う施設は全体の約27%程度。
資格取得によって必ず昇給するといったものではないようです。
しかし、認定看護師になったことをきっかけとしてスタッフから主任へ昇進する方もいます。
専門資格の取得は管理職の昇進などへもプラスの影響を与え、キャリアアップの足掛かりとなることは間違いないでしょう。
また、専門分野での高度な知識とスキルを身に付けることで、その分野において大きな影響力を持ちながら長く働き続けることができます。
まとめ
認定看護師資格を取得するには長い期間の実務経験や専門機関で学ぶことが必要です。
認定看護師の資格を取得すると現場での看護実践に加え、後輩看護師へ専門知識や看護技術の指導を行ったり、看護現場で直面する問題への相談に乗ったりしながら、医療環境や医療水準を上げて行くような役割も求められます。
取得のためのハードルはが高いですが、その分高度な知識と技術、経験を身に付けることができます。専門の特定分野におけるその影響力は大きなものとなるでしょう。
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興味がある方はあわせてご覧ください。
この記事を監修した人
- 井川 玲子 (京都大原記念病院グループ 看護介護部長)
※現在は同グループ ケアハウスやまびこ 施設長 - 看護師。足掛け41年にわたり京都第一赤十字病院および看護専門学校で専任教師・副学校長として勤務。長浜赤十字病院 看護部長を経て、平成21年4月1日より京都大原記念病院の看護介護看護部長として着任。現在にいたる。
※写真は京都”大原”の「大原女」に扮したときのもの