京都大原リクルートブログ

2021/01/29

患者様とご家族が抱える悲しみや苦しみを「聞く」というケア

先輩インタビュー

京都大原記念病院・看護師 木原なつきさん

2015年入職
看護師
木原なつき

 

祖母の最期に立ち会えなかった悔しさ

私が看護師を志したのは中学生の時。

子供の頃から同居していた祖母が入退院を繰り返すようになり、母が介護をしているのを見て「もっと母の助けになりたい」と考えたのが最初です。

 

祖母は私が中学3年生の時に93歳で亡くなりました。

入院中の祖母があまりよくない状態の時、母が看護師さんに容態を聞くと「しんどそうだったのでお部屋をナースステーションのそばに移して、酸素吸入を始めました」との答え。

母も私もそれが非常に重篤な状態を意味しているということがわからず、その日は「そうですか、ありがとうございます」と言って帰宅しました。

 

すると次の日に「呼吸が停止しました」と連絡が入ったのです。

私たちも楽観視はしていなかったものの「もうちょっと詳しく話してくれていたら」と、悔しい思いが残ってしまいました。

 

「だったら自分が看護師になって、ほかの人にそういう思いをさせないようにしよう」と考えたのも、この仕事を選んだ理由の一つです。

 

 

人間関係のよさ=働きやすさと感じられる職場

京都大原記念病院はすごく雰囲気がよく、ここへ入って本当によかったと思っています。

 

やっぱり人間関係がいいことは働きやすさにもつながりますね。

新人の頃から今に至るまで、先輩方がすごく親身になってくれたり、アドバイスしてくれたりするのでありがたいです。

 

 

グループ内では”異色”の一般病棟に勤務

当グループは回復期リハビリテーション病棟が中心ですが、私が勤務しているのは京都大原記念病院の一般病棟です。

 

ここは主に治療が専門で、例えばグループ施設の患者様で肺炎を起こした方、骨折した方などが来られます。

あとは訪問看護のご利用者様で体調を崩した方が入院されてくることも多いです。

危険な状態の方もいらっしゃる病棟ですし、常に緊張感をもって働いています。

 

中には認知症などでコミュニケーションを取るのが難しい方もいらっしゃいますが、患者様から「ありがとう」と言われると本当にうれしいですね。

 

状態の悪かった方が回復してリハビリ病棟に移られると「あぁよかった」と安心すると同時に、「よし、もっと頑張ろう」という気持ちになります。

先輩看護師インタビュー

 

 

「自分の言葉かけは合っているのか」…グリーフケアを勉強中

看護師の仕事と並行してグリーフケアを学びたいと考え、2020年4月から上智大学のグリーフケア研究所に入学しました。

 

グリーフケアは、一般的には亡くなった方のご遺族に対するメンタルケアというイメージが強いかもしれませんが、一般病棟はもちろん、当院の回復期リハビリテーション病棟の患者様に対してもお役に立てることがあると思うんです。

 

リハビリに来られる患者様の中には「できない」「もう力尽きてしまった」と、体が思うようにならないこと、これ以上治療しても前と同じようには動けないことを受け入れられない方もいらっしゃいます。

そんな辛さを抱えた患者様に対して私たちが聞き役となることで、少しずつ現状を受け入れ、今後のことを考えられるようになっていただきたいと考えています。

 

状態によっては、看取られるご家族もいらっしゃいます。

ご家族や、話せる状態であればご本人とお話しする時に「私の言葉かけは本当に合っているのかな」と、常に自問自答してきました。

 

祖母が亡くなった時に私と母が味わったような悔しさをもう誰にも経験してほしくないという思いもあって、グリーフケアを深く学ぼうと決めたんです。

 

 

職場の理解を得て学びの場へ

上智大学グリーフケア研究所は大阪の梅田にありますが、実はコロナ禍でまだ一度も行くことができず、1年近くずっとリモート授業を受けています。

 

今後通学できるようになると、京都から電車で片道約1時間半。

どちらにしても仕事が休みの日でないと授業を受けるのは難しいのですが、ありがたいことに上司が協力的で、受講日は休めるようにシフトを調整してもらっています。

 

職場では、患者様やご家族が看取りを希望された時にはスタッフみんなで話す機会があるので、その時に自分が学んだ知識を少しずつ共有していきたいと思っています。

 

グリーフケアでは「お話を聞く」ということがすごく重要。

 

でも日々の業務の中では、本当に失礼ですが「今忙しいからちょっと待って」と言わざるを得ない場面もしばしばあります。

もっと意識的に「お話を聞く」「思いを聞く」ということを、患者様の状況に合わせてやっていきたいです。

京都大原記念病院の先輩看護師インタビュー

 

 

グリーフケアの知識を持った訪問看護師に

将来は訪問看護にチャレンジしたいです。

 

私のおじは住み慣れた自宅で最期の時を迎えたのですが、その際にお世話になった訪問看護師さんの姿を見て憧れました。

まだまだ経験は必要ですが、これまで私がお会いした中でも自宅での看取りを選択される方は多く、現在勉強中のグリーフケアの知識が生きる場面もあると思います。

 

当グループにも訪問看護の部門がありますし、今は将来のためにたくさん経験を積んでいるところですね。

 

鹿児島の母から「地元へ帰っておいで」と言われることもありますが、「まあ頑張ってきなさい」と応援してくれているのがうれしいです。

 

 

「やっててよかった」と日々実感できる看護師の仕事

コロナ禍でなくても看護師の仕事は決して楽ではないし、なるまでも勉強、なってからも勉強でやっぱり大変なのですが、素敵だなと思うこともいっぱいあります。

 

患者様やご家族との関わりの中でも「やっててよかった」と思えることがすごくたくさんあるので、私自身「看護師ってやりがいのあるいい仕事だな」「なってよかったな」と思っています。

 

目指している人はぜひ頑張ってほしいです!

 

 

京都大原記念病院グループへの就職を目指すみなさんへ

看護師は学ぶべきことや覚えるべきことが多いし、責任の重い仕事ですが、京都大原記念病院グループのスタッフは優しい人ばかりで、しっかり一から教えてもらえます。

 

チームを組んで一つになって声を掛け合いながら業務に当たりますから、わからないことがあっても質問しやすく、いつも親身になってくれる仲間がいるので安心して働けますよ!

 

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