京都大原リクルートブログ

2017/10/11

作業療法士の仕事内容を詳しくご紹介!

セラピスト

こんにちは!京都大原記念病院です。

「作業療法士」という名前は聞いたことがありますか?
名前を聞いてもどんな仕事をするのか、具体的にはよく知らないという方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな「作業療法士」の仕事について詳しくご紹介します。

 

作業療法士の仕事内容とは?

作業療法士の仕事は、「日常生活や社会生活に復帰できるよう、日常生活動作を中心にリハビリすること」です。

作業療法士の仕事を5つに分け、具体的にご紹介します。

身体機能の改善

日常生活動作を回復させやすくするために、関節の動きを滑らかにしたり、筋力を増したり、感覚を促したりなど身体機能を改善させます。

 

生活技能の改善

食事・排泄・更衣・入浴などの日常生活動作や、料理・洗濯・掃除などの家事動作のリハビリを行います。

 

社会技能の改善

就労・就学に必要なためのパソコン操作や書字動作、外出に必要な交通機関の利用のリハビリを行います。

また、仕事や社会生活に必要な問題解決能力、対人関係能力をロールプレイなど通じて向上させ、自立生活や職場復帰を目指します。

 

高次脳機能の改善

交通事故や脳卒中などで脳が損傷されると、記憶能力の障害、集中力や考える力の障害、行動の異常、言葉の障害が生じることがあります。これらの障害を『高次脳機能障害』と言います。
この高次脳機能障害に対するアプローチをします。

例えば、メモ帳を使っての仕事や約束ごとの把握、周囲の状況認識や動作の手順などの能力を向上させることです。

 

環境資源の調整・整備

より安全に快適に生活していただくために自助具や装具の作成や、在宅生活を送るために必要な手すり設置など住宅改修のアドバイスをします。

 

また必要に応じて福祉用具などの提案、各種サービス・制度の相談も行います。
作業療法士の活躍の場は、一般病院や精神病院だけでなく、高齢者施設、障害者施設、養護学校などの児童関係など、とても幅広いです。

学校や施設では、病院よりも生活と密着した場所です。
日常生活動作のリハビリをする作業療法士の特徴を活かしやすいため、作業療法士の活躍が期待されます。

患者様の数だけサポートの方法があります。
日常生活動作をリハビリに有効的に取り入れながら、患者様が意欲的に楽しくリハビリに取り組むことが出来るよう、一人ひとりに合ったプログラムを考え出すことが求められます。

 

理学療法士と作業療法士の違いとは?作業療法士の役割について

作業療法士とは、病気やケガで心身に障害や不自由さを抱える人に、日常生活自立もしくは社会復帰に対してリハビリを提供する専門家です。

これだと、理学療法士と変わらない、と思いますよね。

理学療法士との大きな役割の違いは、理学療法士は「座る・立つ・歩く」などの基本的動作をリハビリするのに対して、作業療法士は「座る・立つ・歩く」などの基本的動作を基盤にベースにして「着替える」「食事する」「バスに乗る」「料理をする」「仕事をする」「旅行にいく」など生活行為に対してリハビリを行います。

前述でもご紹介しましたが、食事・排泄・洗濯・料理などの日常生活動作のほか、ゲーム・体操・手芸・園芸・レクレーションなどの趣味につながる動作もリハビリのメニューに取り入れます。

患者様によって興味のあることや趣味は違いますので、医療に関わる専門知識だけでなく、患者様のスタイルに合わせて考えた、機能向上を目指すリハビリが大切です。

また、身体的なリハビリだけではなく「心のリハビリ」も、作業療法士の仕事には含まれます。
「心のリハビリ」とは、リハビリが社会復帰につながるようサポートして、患者様が生き生きと生活できるよう、身体の回復だけでなく心の回復も図るということです。

うつ病や摂食障害などの精神に障害のある患者様のリハビリも行います。これも理学療法士との違いです。

 

作業療法士の現状と将来性は?

30年ほど前には約7,000人だった作業療法士ですが、国が養成学校を次々と設立し、輩出に努め、毎年5000名近くの作業療法士が誕生し、2015年には約74,000名にまで増えました。

しかし、それでも現場では人材不足と言われています。
それだけ作業療法士が必要な時代になってきていると言うことですね。

日本の高齢化はどんどん加速し、2025年には人口の18%が75歳以上になると予想されます。
それに伴い認知高齢者も増加し、支援の必要な高齢者も増えるでしょう。

介護保険サービスから漏れる人も出てくることが予想され、高齢者が「在宅で生活する」ことが今以上に求められます。
そのためには、障害や病気、認知高齢者などの予防や悪化防止に力を入れなければなりません。

現に、「予防・悪化防止」を目的とした作業療法士のリハビリが取り入れられるケースも増えています。
「回復」だけでなく「予防・悪化防止」にもリハビリの目的が広がっていること、そして活躍を期待される場所も幅広いことから見ても、作業療法士は将来性のある仕事と言えるのではないでしょうか。

 

まとめ

・理学療法士が基本的動作をリハビリするのに対して、作業療法士は日常生活動作を中心にリハビリする

・作業療法士の仕事には身体的なリハビリだけでなく、心のリハビリも含まれる

・作業療法士の仕事内容は、身体機能の改善・生活技能の改善・社会技能の改善・高次脳機能の改善・環境資源の調整整備などがある

・作業療法士は、医療の専門知識だけでなく、日常的な動作や趣味活動、レクレーションなどの多様な分野へ興味を持つことが大切である

・作業療法士はまだまだ人材不足である

・高齢化に伴い、「予防・悪化防止」を目的としたリハビリが求められてきた

・作業療法士は医療機関だけでなく、高齢者施設・障害者施設・児童関係の幅広い分野で活躍が期待できる

・作業療法士は将来性のある仕事である!

 
 

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