





心によりそい、
人をささえる。
1981年7月、当時、無医村だった京都大原の地で、
私たちは一歩を踏みだしました。
それは、必要とする人に、必要としているささえが届くようにと、
意志を貫く道でもありました。
お一人おひとりの人生背景、それぞれの価値観。
私たちはリハビリテーションを核とし、医療・介護・福祉という継ぎ目のない支援を
ご提供することで、その人らしい生き方によりそい、ささえていく。
これまで創りだした様々な価値はすべて、
その想いから生まれたものです。
誰もが、生涯にわたり不安なく暮らすことができるように。
誰もが、生涯にわたりご自分らしく輝き続けられるように。
時代の変化に応じた在り方を、これからも。
ふり返ると、いつも想いはここに。
「心によりそい、人をささえる。」
京都大原記念病院グループは、2021年7月、創立40周年を迎えました。
これまで行なってきた、
京都大原記念病院グループならではの
特徴的な取り組みをご紹介。

京都大原記念病院グループは、大原の地に初の医療機関として一歩を踏み出しました。この地に根差し、
その風土を取り込むなかで、グループのアイデンティティは築かれました。
この地を知り、育まれてきた交流を通じて新たな価値が生まれてきています。
30年以上続くおおはらウォークラリー
単に、医療・介護サービスを提供することだけが地域に根差すことではありません。地域を知り、風土を取り込むなかでこそ根をはった活動が展開されます。実際に地域を歩き、地域を知ることを30年以上、形を変えながら続けてきました。

三千院門跡式衆を招いた
レクリエーションや合同慰霊祭
京都大原を語るうえで「三千院門跡」は欠かせない存在です。グループの施設には同寺院の僧侶が訪れ、法話、花まつり行事などを通じてご利用者に心のゆとりを提供してくださいます。門主を導師に合同慰霊祭 陵風の集いも開催しています。

地産地消
肥沃な土地、朝夕の寒暖差、清らかな水で育つ大原野菜は、京料理人が足しげく買い付けに通うブランド野菜として知られこの地の大きな魅力となっています。施設の食事に積極的に取り入れるなか、地元農家との交流が生まれ、育まれてきました。


戦後、能装束などを手掛けた染色図案家が工房としていた山荘。
ここは大原記念病院(当時)開設準備室となったグループはじまりの地。
風、水の音、比叡山を眺める借景と、五感に働きかける癒しの空間です。
はじまりの地にして、
「癒し」の象徴となる山荘公開
随所にこだわりの趣向が施された山荘。かつては、ここより更に北の尾越に位置しました。桜とシャクナゲが美しい春と、紅葉が借景に拡がる秋には、患者様にも限定公開し、その癒しを提供しています。

大原の四季に触れる「華なりウォーク」
癒しの山荘を拠点とし、京都大原記念病院の敷地一体で、関連施設のご利用者向けのウォーキングイベントを開催。季節ごとの草花を愛でながら汗を流し、山荘の癒しを感じいていただけるコースをお楽しみいただきました。
2016年、2017年に開催

オリジナルデザインエレメント
グループの心の象徴として、また癒しを感じる機会として「デザイン」「空間づくり(京都近衛リハビリテーション病院)」でオリジナルエレメントとして展開しています。本サイトにも使用しています。


心によりそい、人をささえる。
その在り方は時に、医療・介護・福祉の域を超えるものになりました。
完全オーダーメイド療養食の配食サービス
医療介護のさまざまなノウハウをもって配食のモデル事業としてはーと&はあと事業がスタート。高齢者や病状に適したお弁当がデリバリーされました。この事業はその後、三菱商事とのジョイントベンチャー「(株)はーと&はあとライフサポート」へ発展し、配食以外の生活関連サービスを提供するに至りました。※同社は現在独立

地産地消の延長線上の活動として、
オリジナル商品「シフォンケーキ」
「どら焼き(三笠まんじゅう)」を展開
地域の風土を感じる「癒し」、生活の「楽しみ」を提供する期間限定の試みがなされました。地元農家の手で生産された野菜を材料とする菓子を、レクリエーションを通じてご利用者に、また売店ではお見舞いの家族などを対象に期間限定で販売しました。

グリーン・ファーム・リハビリテーション®
農業をリハビリテーションのプログラムに取り入れる固有の取り組み。ハイシーズンには多くの患者様が精力的に汗を流されています。タキイ種苗の農業指導により活動が大成し、京都府立医科大学の指導により研究事業としての飛躍も期待されています。
グリーン・ファーム・リハビリテーション®は医療法人社団行陵会の登録商標です。


患者様の「その人らしさ」と向き合い、
京都で民間初、全国的にも早期段階から「リハビリ」に取り組み、
積み重ねてきた経験を伝える活動も工夫を重ねてきました。
地元大学とコラボレーションした
マンガ冊子
リハビリを必要とする人が、適切に理解をしてもらえるよう誰もが親しみやすい「マンガ冊子」で解説しています。回復期リハビリを解説する「京のおかんリハビリ日記(第1版2012年発行)」、生活期にテーマを広げた「京の板さんリハビリ日記(第1版2015年発行)」を出版しました。

「自分らしく」を考える
ミニシアターとのタイアップ企画
趣味を楽しみ自分らしく生きる映画ファンを対象に、いつまでも「自分らしく」あるために日々を見つめる機会として映画観賞イベントを開催。病院スタッフが一人の人として私服で登壇し、来場者とともに作品の感想を交えて語らいました。
2017年10月、2018年10月 開催

「心と身体の健康」を主体的に学ぶ
シニア学生が自ら運営し、「心と身体の健康」をテーマに取り組む活動に講師として参画。座学、体験、校外学習(大原)を通じ、互いのつながりのなかで心の健康を育み、知識や運動を通じて体の健康づくりを目指す取り組みを続けています。

リハビリテーション医療や疾病予防に役立つ最新情報を提供する
「リハビリテーション公開講座」
40周年スペシャルムービー
京都大原記念病院グループのこれまでの歩みを、児玉博行代表のインタビューとともにご紹介します。
40年の歩み
時代の流れヒトの流れと
向き合い続ける
京都大原記念病院グループの歴史は、1981年、大原に初の医療機関として「大原記念病院(当時)」が開設されたことから始まりました。
以来、グループは「時代がどのように変化し、人は安心のために何を求めるのか」ということに向き合い続けています。
創業者である 児玉博行 代表の思いとともに、グループの歩みの転換点を振り返ります
第一章 リハビリテーション
治療が終わっても受け入れ先がなく入院を続ける「社会的入院」が課題となる中で着目したのが、脳卒中などの後遺症を抱える患者様に集中的な訓練を実施し、社会復帰をサポートする「リハビリテーション(以下、リハビリ)」です。1984年に初めて理学療法士を採用、2000年には制度化と同時に京都府内で初めて回復期リハビリ病棟を設置しました。
- 1981(昭和56)年
- 大原記念病院開設(74床)
- 1984(昭和59)年
- 「理学療法士」初採用
- 1985(昭和60)年
- 運動療法(Ⅰ)施設基準承認
- 1988(昭和63)年
- 医療法人社団「行陵会」設立
- 1989(平成元)年
- 作業療法(Ⅰ)施設基準承認 鞍馬口診療所開設
第二章 医療・介護・福祉“三位一体”
「手術を終え、医療と自宅の狭間の時期にいる患者様がそのまま病院にいることは、本当に良いことなのか」グループは、「介護老人保健施設 博寿苑(1991年)」「特別養護老人ホーム大原ホーム(1997年)」を、病院と同一敷地内に開設。医療・介護・福祉の“三位一体”で安心を提供する全国的にも珍しい施設群が誕生しました。
- 1991(平成3)年
- 介護老人保健施設「博寿苑」開設
- 1992(平成4)年
- リハビリテーション総合施設基準承認
博寿苑デイケア開設
訪問看護ステーション「おおはら」開設 - 1995(平成7)年
- 社会福祉法人「行風会」設立
訪問看護ステーション「岩倉」「きよみず」「ときわ」開設 - 1996(平成8)年
- 「北陵診療所・デイケアセンター」
高齢者住宅 「ぬくもりの家」開設 - 1997(平成9)年
- 特別養護老人ホーム「大原ホーム」開設
「大原ホーム老人デイサービスセンター」開設
第三章 在宅サービス
「施設に来られる方には、どうしても遠慮がある。本来、家庭の中でないと利用者や家族の本音を聞くことはできない。」「博寿苑デイケア(1992年)」を皮切りに、在宅サービスを展開。医療・介護のワンストップショップ「京都総合ケアステーション(1998年)」では、24時間体制の相談窓口、生活支援サービスも開始。その後の展開につながる、高齢者の本音に触れました。
- 1998(平成10)年
- 「京都総合ケアステーション」 開設
「中立売診療所・デイケアセンター」開設
「こうやま診療所・デイケアセンター」開設
「ヘルパーステーション下鴨」開設 - 1999(平成11)年
- グループホーム 「やすらぎの家」開設
寝たきり対応高齢者向け賃貸住宅「大原うぐいすの里」開設 - 2000(平成12)年
- 回復期リハビリテーション病棟導入2病棟98床
「塩小路デイサービスセンター」開設
「こうやまデイサービスセンター」開設
「朱雀老人デイサービスセンター」開設 - 2001(平成13)年
- 回復期リハビリテーション病棟増床(167床)
介護老人保健施設「おおはら雅の郷」開設
グループホーム「あすなろ」開設
「大原在宅診療所」 開設
第四章 安心して最期まで暮らせる住まい
病院や施設を出た後も安心して過ごせる高齢者住宅の試行も重ねました。「ぬくもりの家(1996 年)」、「大原うぐいすの里(1999年)」です。小規模の住宅に訪問診療や訪問看護・介護・リハビリ、配食などを提供し、ノウハウを蓄積しました。「ケアハウスやまびこ(2002年)」「ライフピア八瀬大原Ⅰ番館(2006年)」へ継承されています。
- 2002(平成14)年
- ヘルパーステーション「すざく」「おおはら」開設
「ケアハウスやまびこ」開設 - 2004(平成16)年
- 日本リハビリテーション医学会 研修施設認定
- 2005(平成17)年
- 「平野デイサービスセンター」開設
- 2006(平成18)年
- 有料老人ホーム「ライフピア八瀬大原Ⅰ番館」
- 2007(平成19)年
- 「大原記念病院訪問リハビリテーション事業所」開設
- 2008(平成20)年
- 京都リハビリテーション研究所脳血管疾患部門設立
回復期リハビリテーション料Ⅰを算定
グループ名、病院名を京都大原記念病院グループ、
京都大原記念病院へ - 2009(平成21)年
- 「上高野デイサービスセンター
(デイサービス・訪問看護・居宅)」開設 - 2012(平成24)年
- 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会
第19回研究大会in京都
第五章 京都から全国への発信
通院でリハビリを専門に提供する「御所南リハビリテーションクリニック(2013年)」を開設。地域医療の効率化が求められるなか、急性期病院を退院後、早期段階から受け入れる拠点として「京都近衛リハビリテーション病院(2018年)」を開設。3拠点連携のもと、リハビリや医療・介護体制のあり方を全国に発信し続けています。
- 2013(平成25)年
- 平野デイサービスセンターへ訪問看護、
訪問介護、居宅を統合
「御所南リハビリテーションクリニック」開設 - 2017(平成29)年
- 「グリーン・ファーム・リハビリテーション®」商標登録
「国際事業専任アドバイザー」着任 - 2018(平成30)年
- 「京都近衛リハビリテーション病院」開設
- 2020(令和2)年
- 京都府・内閣府
共同補助事業 高齢者共生型まちづくり事業
「大原健幸の郷」 開設
第六章 誰もが安心して暮らすことができる社会へ
いつまでも自分らしく過ごせる社会構築に向け、内閣府、京都府の共同補助事業「大原健幸の郷」がスタートしました。リハビリの経験に基づくプログラムで健康を支え、また交流拠点として地域活性化への貢献を目指します。サービスの原点は「人の心に寄り添い不安を取り除くことにある」との認識のもと、これからも社会の要請に応えつづけます。
- 2021(令和3)年
- 京都大原記念病院グループ 創立40周年

ごあいさつ
高齢社会に見合う医療を
創立40周年に思う
無医村だった京都大原の地に病院を構えたのは1981(昭和56)年。日本の高齢化に伴う医療として、急性期医療と高齢者医療の狭間であるリハビリ医療に着目し、事業展開を思い立ちました。
事業はヒト・モノ・カネで成り立っています。レビューしてリセットしながら新しい態勢で物事に臨むことが必要です。職員にフレッシュな状態でサービスに当たってもらうことで、質の高いサービスが提供できると考えています。
今後に向けてはいわゆる「メディカルマンション」を模索しています。医療が完備され、適度の贅沢を楽しめて尊厳を守ってくれる、自宅に代わる最期の場としての生活空間。従来にない品質のものを世に出すにはどうすればいいか、折りに触れて考えています。
京都大原記念病院グループとして創立40周年を迎えることが出来ましたがなお道半ば。マネジメント能力ある職員を育てながら、さらなる発展に尽力する所存です。
京都大原記念病院グループ 代表
児玉博行