大原のこと

  • 私たちの知る大原

    京都市の市街地から車で約20分。古くは若狭から御所へ海産物が運ばれたという国道367号線(通称: 鯖街道)を北へ進むと広がる山里が大原です。 東の比叡山、西の北山に囲まれた自然豊かな地域で、四季折々、とても豊かな表情を覗かせます。
    京都大原記念病院上空から見通す大原

    京都大原記念病院上空から見通す大原

    人口は約2,000人。観光を生業にする方、古くからこの地に続く家、自然豊かな環境の中で子育てをしたいと移住された方、就農を機に移住される方など、この地域の魅力に引きつけられた多くの方がこの地に愛着を持って住まわれています。

    私たちの知る大原をご紹介します。

    大原と言えば一般的には「観光地」知られています。1965年にほんのうたシリーズで発売された「女ひとり」のブームなどに乗り、全国から多くの観光客が押し寄せました。象徴的存在であるのが「三千院」です。先の「女ひとり」の歌詞にも登場します。天台宗の本山 比叡山 延歴寺そばに築かれた円融房に起源をもち、現在の大津市や京都市内を巡り、明治維新の後に現在の地に構えられ約1,200年の歴史を紡ぎます。
    大原三千院

    大原三千院

    周辺には、日本音楽の源流とされる「声明(天台声明)」の発祥地とされる「勝林院」を中心に「来迎院」「実行院」「宝泉院」などが位置します。この一帯は古くは声明の本場として全国に名を馳せていました。

    大原には、聖徳太子が父・用明天皇を弔うために建立されたという「寂光院」が存在します。かつて建礼門院徳子(平徳子・平清盛の娘)が隠棲し、最後を過ごした場所として広く知られている場所です。

    壇ノ浦の戦い(1185年)で平氏滅亡を悟った徳子は子・安徳天皇を抱え入水を図ります。しかし図らずも自分だけが生き残り、その後京都へ送還。都から離れこの地で最後を過ごしました。その様子は平家 物語でも描かれており、大原は平家物語終焉の地としても知られています。寂しげに過ごす徳子に村人が野菜を漬けて差し入れたことに由来するとされる「しば漬け」や、侍女の格好を起源とする「大原女」 など、現在でも様々な形で伝統的に受け継がれる文化が見られます。

    大原女まつりの一幕

    大原女まつりの一幕

    職員一人一人も、自分が働く地域の文化を知る必要があるとの認識から、例年、新入職員が例年研修の一環で「大原ウォークラリー」として地域の主要スポットを訪れています。約20年前から続く、伝統の研修となっています。(2020年は新型コロナウイルスの影響で中止)
    ウォークラリーで三千院参道を歩く引率、および新人職員ら

    ウォークラリーで三千院参道を歩く引率、および新人職員ら

    さまざまな歴史背景を持つ大原は「農業」がさかんです。朝夕ほど良い寒暖差のある気候や、清らかな 水で育つ野菜は味が濃いと評判です。なかでも「赤シソ」は最も原品種に近い品種とされ、特に「赤シソのふるさと」と称されることもあります。多くは京都の三大漬物「しば漬け」となって出荷されていきます。
    一面に広がる赤しそ畑

    一面に広がる赤しそ畑

    この地域の農業の特徴は露地栽培であること。ビニールハウスなどを用いず、自然の中で野菜がたわわに実ります。もとは農家が自分たちで消費する分を作っていたそうですが、地域の物流拠点「里の駅大原」の開設や、毎週日曜日に開催される「朝市」などにより人気が高まり、大原野菜としてブランド化されています。近年は京料理人などが買い付けにくることも日常風景です。
    里の駅大原、毎週末は朝8:00にはほとんど売り切れに

    里の駅大原、毎週末は朝8:00にはほとんど売り切れに

    京都大原記念病院グループでは、こうした魅力的な野菜を患者様、ご利用者にも味わっていただきたいと2010年に介護付き有料老人ホームライフピア八瀬大原Ⅰ番館(※)で取り入れるようになり、現在は行事食としてグループ内各施設のお食事 に取り入れています。作り手(農家)と直接やり取りが増加し、この縁もきっかけになり京都大原記念 病院ではグリーン・ファーム・リハビリテーション🄬と固有の活動へと展開するに至りました。
    ※当時は「住宅型」有料老人ホーム

    自然豊かな環境の背景には歴史・文化など魅力的な背景に満ちています。一方で、京都市内でも特に高齢化が進んでいるという課題にも直面しています。私たちはこの地において、リハビリテーション(以下、リハビリ)を中心にきめ細かな医療・介護サービスの面展開で安心を提供することが大きな使命です。2020年には京都府・内閣府の共同補助事業 高齢者共生型まちづくり事業として「大原健幸の郷」がスタートします。リハビリで培った経験に基づき、地域住民の健康を支え、また地域の交流拠 点となり、多世代交流を基点に地域活性化を促すことが目的の新たな取り組みです。
    高齢者共生型まちづくり事業 多世代交流拠点 大原健幸の郷

    高齢者共生型まちづくり事業 多世代交流拠点 大原健幸の郷

    京都大原記念病院グループは大原の地を拠点に、歩みを進めて参りました。地域の背景を私たちも理解し地域への貢献を念頭にこれからも歩み続けます。

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