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寺を守る

大原に向う途中、山を切り開いた急な坂の上に西林寺(さいりんじ)という寺がある。もとは蛸薬師通りにあったが、45年前に八瀬に移った。現在、米田信禮様・園子様ご夫妻が博寿苑通所リハビリテーションに通いながら、この寺を守っている。

博寿苑通所リハビリ

前住職・信禮様の日課は本堂や墓地、庫裏(寺族が居住する建物)の掃除。掃除も修行のひとつ。毎日丁寧にモップがけを行っている。檀家さんの対応は奥様のお仕事。お参りに来られた方に、水塔婆(小さな塔婆)に戒名等を書いて渡している。お二人とも持病を抱えながらも、昔から通ってこられる檀家さんのために寺を空けるわけにはいかない。交代で博寿苑に通っている。
 
寺院特有の砂利や段差、石畳の多い環境での生活を続けるためには、転倒しないよう、下肢筋力・歩行能力を維持する必要があった。西林寺までは雨の日はタイヤが滑りそうな急こう配を送迎車が登る。他の利用者様に配慮して最初のお迎えで最後のお送りになってしまうが、それでもその坂を上るのはリハビリを継続してほしいとの思いからだ。
 
生活目標を伺うと、「これからもこうして寺を守っていきたい」と、普段は寡黙な信禮様が答えた。しかし、二人きりの生活には手の届かないところがある。そこは岐阜にお住まいで現住職の娘様が、毎月京都を訪れ、半月程滞在してお二人のフォローをしている。娘様も「できるだけ元気に檀家さんの対応を続けてほしいですね」と穏やかに話してくれた。
 
寺には先祖代々の墓があり、檀家さんの心の拠り所となっている。夫婦と娘三人で寺を守ることが地域の人々の心の支えとなっている。地域を支える方を支えたい。博寿苑通所リハビリテーションの願いだ。

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