認知症とともに(3) 徘徊高齢者救う「声かけ」 訓練が地域づくりにも一役
久多・大原・八瀬・上高野・松ケ崎学区の日常生活圏域を担当する高齢サポート・大原では、昨年度、上高野学区で道に迷う高齢者を想定した「声かけ訓練」を実施しました。地域課題を検討する「地域ケア会議」で、高齢サポート・岩倉の先行事例をもとに、行方不明になった認知症高齢者を早期に発見するネットワーク作りをテーマに話し合いました。
第1回目の訓練を11月15日に実施。「認知症役」を3名の地元役員の会長さん達にお願いして学区内を歩いてもらいました。商店街など人が集まる場所が少ない地域ですが、30分程の間に62名の方が声をかけてくれ、127名の方に訓練のPRカードを配ることが出来ました。「自分の家の前を通ったから、次あんたの番やで!」と既にあるご近所さんのネットワークも分かり、予想以上の成果に、実行委員会では第2回目の訓練に向けて勇気づけられました。
「認知症で行方不明の高齢者1万人」との報道もあります。「人生の最期をどこで向かえることが出来るか?」不幸な結末にはしたくないと考えます。
認知症を含め、疾患を抱えることで偏見にさらされたり、他者には理解できないハンディキャップを背負うこともあります。認知症サポーター養成講座や「声かけ訓練」は、認知症を理解して、少し手間をかけようと意識を持つだけのことです。
近所さんにとっては、認知症でウロウロする方は心配をかけ、時に勝手にみえる行動によって迷惑を被るかも知れませんが、明日は我が身。「施設に入れてしまえ!」という前に、認知症について学び、どのように関われるかを一緒に考えていけるようになれば、皆さんにとっても暮らしやすい地域になるのだろうと考えています。
認知症とともには、3回にわたって高齢・サポート大原の認知症への取り組みを掲載しました。
認知症とともに(1) 徘徊の祖母見て福祉の道 進む高齢化、増す生活課題
認知症とともに(2) 小中学生サポーターも続々 大原と八瀬で養成講座定着
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