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【看護の日特集Vol.1】前向きな変化に感動 患者に寄り添い自立手助け

5月12日は看護の日。近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、日本では1990年に制定されました。
看護の日にちなみ、現場で働く看護師に「仕事のやりがい」について、日々の心境を語ってもらいました。

まず、第1回は京都大原記念病院(京都大原記念病院グループ)で働く看護師の想いです。
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「前向きな変化に感動 患者に寄り添い自立手助け」

 

回復期リハビリ病棟で働きだして9年目になる。これまで、様々な患者・家族との関わりがあった。入職初めの頃は、環境や業務に慣れる事にいっぱいで「回復期リハビリ看護」について考える事はもちろん、楽しさややりがいを感じる事ができずに日々が過ぎていた。

 

その頃、腰髄損傷による両下肢麻痺でのリハビリ目的で入院している患者を担当した。身体面のケアや生活介助はもちろんだが、その方は受傷による障害受容ができず、今後の生活に対しての喪失感があることから、看護は精神面への介入が主となっていた。

 
患者は疼痛や血圧低下による身体的症状や、リハビリに対して気持ちが向かない事から、思うようにリハビリが進まなかった。40歳代と若く、家庭的な悩みも多かったため、なるべく訪室時にはしっかり話を聴き受け止めようと努めた。

 

入院2ヶ月目を経過した頃から、臥床状態から標準型車椅子へリフトやスライディングボードを使用し2人介助での離床ができるまでとなった。この頃には、意欲的にリハビリに取り組む姿勢がみられ、悲観的発言は減り他の患者との交流も増えていた。当院退院後は、リハビリ継続のためにリハビリテーションセンターへ転院した。

 

それから約1年後にひょっこり病棟に来られ、たまたま日勤で再会した患者さんは自ら乗用車を運転し、身の回りの動作は自身で行えていた。また、当院入院中にリハビリの必要性も実感したとの事で、退院後もリハビリを継続しており、現在やこれからの目標を笑顔で語った。入院中だけではなく退院後の生活状況を聞いたり、身体・精神状態を実際に見る事ができ、入院中との変化に感動をした事を覚えている。

 

回復期は、急性期で救われた命を障害が残存していても、その人らしく人生が送れるよう回復させる段階にある。身体的回復期はもちろんであるが、それと同等に精神的回復も重要となる。急性期とは違い、回復期では長期的な経過(入院)であり、すぐに目に見える変化や結果は難しいが、その分、患者の心に寄り添い、患者のペースで、個々の患者の目標に向けチームで継続かつ統一した関わりを行っていく事が重要であると感じるとともに大事にしている。

 

「救われた命をその人らしく輝かせるために」という看護介護部の目標を大事に、リハビリ入院生活を支え、何より自立へと支援していく事が、リハビリ看護師としての役割であり、やりがい感に通じる事と実感している。

 

そんな中、「回復期リハビリテーション認定看護師」を受講する機会を得た。3クールの研修と4ヶ月の実践活動レポートを提出し、認定証を授与する事ができた。今後は、リハビリ認定看護師の知識・技術を生かしてより質の高いリハビリ看護を提供していきたい。

看護の日 (1)

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明日は、訪問看護ステーションで勤務する看護師の想いを紹介します。

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