ボトックス®療法勉強会を開催しました。
5月18日、グラクソ・スミスクライン(株)を講師としてお招きし、職員を対象に「ボツリヌス(ボトックス®)療法」の勉強会を開催しました。医師、看護師、セラピスト等のスタッフ約120名が参加しました。
ボトックス®療法とは、ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を障害となっている筋肉内に注射する治療法です。
代表的な脳卒中の後遺症の症状の一つでもある、手足の痙縮やこわばりに対して有効とされ、日本脳卒中協会が発行する脳卒中治療ガイドラインでも、2015年、痙縮による関節可動域制限に対し、グレードA(行うよう強く勧められる)に位置付けられました。
京都大原記念病院の患者様の約65%、御所南リハビリテーションクリニックの患者様の約55%が「脳卒中の後遺症」によりリハビリに励まれています。当グループでもこうした患者様の手足のこわばりに対し、積極的にこの治療を取り入れ施注実績は全国でもトップクラスとなっています。
この治療法は注射を受けるだけでは手足の機能回復は見込めません。施注後、筋肉を動かしやすくなった状態で集中的にリハビリを実施することで初めて効果が期待されます。
大切なことは、患者様の「生活動作の改善」や「介護負担の軽減」といったそれぞれの目標を明確にすることです。5年程前から痙縮に対して施注されるようになり、徐々に取り扱う医療機関も増えてきています。
しかし、講師を務めたグラクソ・スミスクライン社によると、全国でもまだまだ施注医が少なく、専門性も高いことなどから、現時点では痙縮に悩む患者さんの1割程度の広がりにとどまっているようです。こうした現状も背景に、当院では患者様の目標達成に向けて、選択肢の一つとしてこれからもこの治療法を活用していきます。
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