ニュース

リハビリ医療の更なる発展へ。学術集会で3演題を発表。来年は京都で。

9月24日から2日間、鹿児島で開催された第4回日本スティミュレーションセラピー学会学術集会に参加しました。

今大会のメッセージはNever Give Up -希望が持てる実践-。初日の八反丸健二 大会長(医療法人慈圭会 八反丸リハビリテーション病院 理事長)は開会宣言で、「鹿児島に生まれ、後に東京慈恵会医科大学の創設者となった高木兼寛医師の言葉『病気を診ずして、病人を診よ』の言葉を意識して掲げた」と意図に触れられました。

「現場では障害を抱える患者様が日々努力をされています。良い時もあれば、悪い時もある。我々、医療者が支えとなるためにも、リハビリ医療の発展を目指していきたい。この大会はまさにそのためのものです。2日間と限られた時間だが、大いに積極的な議論が繰り広げられることを期待して、ここに開会を宣言します」

宣言の通り、延べ約40の一般演題と特別演題において、全国から磁気刺激治療やボツリヌス治療、衝撃波治療等に取り組む病院関係者が、リハビリテーション医療の発展に向けて白熱した議論を交わしました。
京都大原記念病院グループからは、3演題を発表しました。全国の様々な実践者と、今後の臨床に活かせる意見交換の機会になったことは間違いありません。

発表者3名

\発表演題/※演者のみ表記
利き手麻痺と非利き手麻痺におけるNEURO︎後の効果の特性について
紀太真裕菜(御所南リハビリテーションクリニック 作業療法士)

脳卒中後亜急性期に重症上肢機能障害を呈する反復性経頭蓋磁気刺激の効果の検討
森右京(京都大原記念病院 作業療法士)

回復期病棟入院中にボツリヌス毒素療法を実施した脳卒中後右片麻痺の1症例
山本志織(京都大原記念病院 理学療法士)

一般演題 嚥下・言語セッション<座長>
垣田清人(京都大原記念病院 院長)

そして、次回大会は2023年10月19日(木)-20日(金)に京都で開催されることが既に決定しており、京都大原記念病院グループが事務局を務めます。大会長を務める児玉直俊 医師(京都近衞リハビリテーション病院 院長)が抱負を述べました。

「次回大会にはSeek Beyond -普遍、前進、その先へ―とスローガンを掲げました。いつまでも変わらない本質を忘れず、新しい変化も取り入れていくを意味する「不易流行」という松尾芭蕉の言葉も意識したもの。リハビリ医療の本質を忘れず、挑戦を続ける本学会は、まさにそのものだと考えています。
当グループは、本学会の安保雅博 理事長の指導を受けて磁気刺激治療を早い段階で取り入れ、外来クリニックで定期的に診察いただいています。前身の研究会時代には、学術大会事務局も経験しました。これまでの縁も大切に、事務局一同しっかりと準備を進めていきます。より良い医療を患者さんに提供できるよう、リハビリ医療の更なる発展を目指し、来年も熱い議論を交わしましょう」

プログラムの最後。安保雅博 理事長(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学 主任教授)から大会事務局への感謝の意と共に、参加者に言葉が送られました。

「台風や新型コロナウイルス感染症など、様々なハードルがあるなかで、丁寧な対策を講じて開催してくださった事務局の皆様に感謝申し上げます。明日からやってみよう!と思える学びもたくさんありました。これまで演題の中心だった磁気刺激やボツリヌス治療、促通反復に加え体外衝撃波分野も出て来ました。いずれの演題も白熱した議論が重ねられたと思います。ぜひ、そうした成果を論文にしていただきたい。何より患者さんのために、リハビリ医療の発展に資するものです。これからも様々な研究活動や報告がなされることを期待しています。本当にありがとうございました」

その後、副大会長の厚地正道副大会長(医療法人慈風会厚地脳神経外科病院 理事長)による閉会宣言がなされ、盛会のうちに終了となりました。京都大原記念病院グループもより良い医療の提供に向けて、学びと実践を積み重ねてまいります。

■ 日本スティミュレーションセラピー学会とは
2010年8月に発足したStimulation Therapy研究会の10年間の活動後、研究会を引き継ぐ形で2019年1月に発足いたしました。前身のStimulation Therapy研究会時代の磁気刺激治療に関する研究のみならず、その他様々な電気治療、マニュアル手技による治療、又それらの効能効果をもたらす方法などを広く各方面から求め、又日本のリハビリテーション分野における様々な治療・評価を網羅した活動を目的とし、多くに門戸を広げ、多方面からの研究、発表、情報交換により、リハビリテーション分野の様々な治療法と評価法の更なる発展を目的として設立しています。(学会ウェブサイトより

日本スティミュレーションセラピー学会(旧Stimulation Therapy 研究会)
安保雅博 理事長
東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座 主任教授

関連記事

2020年10月06日
【第二十三報】新型コロナウイルス対策について
2019年5月31日
【広報誌】和音6月号を発行しました!
2020年1月27日
美食倶楽部【嚥下食】「特製とろけるビーフシチュー」「大原野菜たっぷりのてっちり鍋風とふぐ雑炊」「鯛づくし御膳」(八瀬大原Ⅰ番館)