2017/12/19
理学療法士とは?仕事内容や就業先について
セラピスト
こんにちは!京都大原記念病院です。
みなさんは「理学療法士」と聞くと、どういう仕事をしているかすぐに思いつきますか?
「リハビリの先生」と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。
ケガや病気の影響でリハビリが必要になったとき、リハビリ室で最初に会うリハビリスタッフが「理学療法士」です。
今回はそんな「理学療法士」の仕事内容についてのお話です。
理学療法士の仕事がどういうものか、理学療法士が働いている所にはどういう場所があるのかなどをご紹介します。
理学療法士とは
理学療法士は、主に病気やケガで病院や施設に来られた患者様のリハビリを行います。
病気やケガなどで身体に障害が出たとき「寝返りをする・座る・立つ・歩く」といった日常生活に必要な基本動作の機能回復や維持、障害の悪化を予防するために運動療法や徒手的療法を用いてサポートする仕事です。
そのため理学療法士は「動作の専門家」とも呼ばれています。
病院や施設のリハビリ室には、作業療法士、言語聴覚士もいます。
作業療法士は主に具体的な日常動作の回復を目指す、つまり食事や入浴などの日常生活をスムーズに送るためのサポートを行い、言語聴覚士は話す、聞く、食べることに問題がある患者様に自分らしく生活が出来るように支援する仕事です。
理学療法士の仕事内容とは?
理学療法士の仕事について一番身近で想像しやすいものは、整形外科・リハビリ科などのリハビリ室で、ケガや病気によるマヒ・障害に対しリハビリを行っている姿ではないでしょうか?
理学療法士は医師の指示のもと患者様一人一人の症状や日常生活を考慮し、基本的な運動能力の回復に向けて患者様に合ったリハビリの計画を立てサポートを行います。
理学療法士の主な仕事
理学療法士の仕事1)動きの学習と指導
リハビリは、ケガや身体の障害の程度によって段階的に行われます。
病気やケガ、手術をされた方は、体の回復が早くなるように発症後または手術後できるだけ早い段階でリハビリを行います。
医師の指示に基づき「失われた身体の機能を、どういったリハビリによってどの程度回復させるか」について問題点を抽出し、基本動作能力の改善や正しい動きの学習と指導を行います。
反復運動を繰り返しながら筋力を強化させ、関節の可動域を広げることで運動能力が向上もしくは低下の抑制につなげます。
理学療法士の仕事2)患者様の自立に向けたサポート
身体の状態が安定した患者様には、自宅に戻り自立できるよう患者様の生活に合わせたリハビリの計画も行います。
その際、具体的な日常動作の回復を目指す「作業療法士」「言語聴覚士」と連携してリハビリを行うことがあります。
食事や着替え、入浴やトイレなどがスムーズにできないと自宅に戻った時に困るためです。
理学療法士が立ったり歩いたりという基本動作のリハビリを行い、作業療法士や言語聴覚士が食事やトイレなどが自分でできるようになるためのリハビリを行っていきます。
理学療法士と作業療法士、言語聴覚士が連携して、患者様の身体の機能を回復する・日常生活に戻れる(自立する)ようにする、などの共通の目標のもと、それぞれの立場でリハビリ計画を立てサポートします。
理学療法士の仕事3)患者様の身体の分析・評価・リハビリ計画の策定
痛みの強さや関節・筋肉の可動域に関して各種検査を行い、評価するのもリハビリにおいて大切な理学療法士の仕事です。
医師の指導だけではリハビリは行えません。
患者様の実際の状態と医師の診療内容があって初めて、リハビリ計画が患者様に寄り添ったものになります。
リハビリの具体的内容について、しっかり計画を練ることが効率的なリハビリを行うためには必須といえます。
理学療法士が行うリハビリ方法
理学療法士が行う療法には、「運動療法」と「物理療法」があります。
「運動療法」とは
身体の全体又は一部を動かして症状の改善や機能の回復を目指すものです。麻痺の回復を促す訓練、筋力や関節の動きを正常な状態へ近づける訓練、平行棒や杖や歩行器で歩く練習を行ったりします。
「物理療法」とは
温熱治療、電気治療など物理的な刺激を与え、痛みを軽減することや血液の循環をよくすることで運動の効果を高めます。
これらを組み合わせて患者様に合ったリハビリを行います。
理学療法士が活躍する就職場所
理学療法士の就職先は以下になります。
病院
理学療法士の多くは病院に就職しています。
病院は急性期病院、リハビリテーション専門病院、療養型病院等いくつかに分類されます。その中でリハビリテーション専門施設は病気や事故によって負った重度の障害のリハビリを行います。患者様は施設に入院し、集中してリハビリを行うので、短期間で最大限効果を高めるよう計画し、リハビリを行うという点でも、大変やりがいのある職場といえるでしょう。
また、総合病院などはたくさんの診療科があるので、ケガだけでなく病気の後遺症などそれぞれの症例に合わせたリハビリ計画を立てることが必要になります。
クリニック(診療所)
整形外科があるクリニックなどにおいて、外来の患者様にリハビリを行います。
特にスポーツクリニックなどでは、治療において理学療法士・作業療法士の果たす役割は大きなものとなります。
介護施設(老人保健施設など)
高齢者は一度介護施設などに入居すると、自発的に運動する機会が減りやすい傾向にあり、筋力が低下=QOL(生活の質)が低下することも珍しくありません。ご利用者自身でできることを減らさず、少しでも維持できるように日々のリハビリを行うのが理学療法士の仕事です。
その他
公営のスポーツジムやスポーツチームに所属し、スポーツ中のストレッチの指導やスポーツ選手のトレーナーとして活躍している理学療法士の方もいます。
また、介護施設の一部では、施設内リハビリテーションや通所リハビリテーション(デイサービスなどを利用する際にリハビリテーションを受ける)だけでなく、訪問リハビリテーション(患者様の自宅に訪問してリハビリを行う)を取り入れている施設も増えています。
実際に患者様の生活環境を確認しながら行う訪問リハビリテーションは、今後ますます需要が高まると考えられます。
まとめ
理学療法士は、病院以外にもクリニックや介護施設などでも活躍しています。
高齢化社会によって今後寝たきりの方も増えてくる可能性は十分にあります。
それを医師の指導の下に予防改善できるのが理学療法士です。
病気やケガをされた方はリハビリによって日常生活と笑顔を取り戻します。
そのお手伝いができるのも理学療法士という仕事の魅力、と言えそうですね。