京都大原リクルートブログ

2017/07/19

リハビリテーションにおけるフィジカルアセスメントとは?

セラピスト

こんにちは!京都大原記念病院です。
皆さんは「フィジカルアセスメント」という言葉を聞いたことがありますか?
最近は訪問リハビリの需要が増えてきて、リハビリテーションにおけるフィジカルアセスメントの重要性が説かれています。
今回はリハビリテーションにおけるフィジカルアセスメントについてご紹介します。

 

フィジカルアセスメントとは?

フィジカルアセスメントとは、「フィジカル(身体的な)」「アセスメント(情報を意図的に集めて判断する)」という言葉の通り、問診・視診・触診・聴診・打診を通してさまざまな情報を集めて分析し、患者様の状態を判断することです。
日本語では「身体診察技法」と呼ばれています。

リハビリテーションでは、どのような場合でも患者様の状態観察からその方に適したケアを考えるので、フィジカルアセスメントなしにはケアは行えません。

 

リハビリテーションにおけるフィジカルアセスメント

リハビリテーションの現場ではどのようにフィジカルアセスメントが活用されているのでしょうか?職種別にご紹介します。

・医師

患者様へのフィジカルアセスメントにより、心身の状況を把握し診断を行います。それを基に必要なリハビリ計画を作成・指導・指示します。

・看護師

バイタルチェックなどのやフィジカルアセスメントを行い、障害の程度にあわせた日常生活を援助します。また患者様のその日の状態を把握し、それを基にリハビリが安全に行えるか判断し、異常があるときは医師に報告・相談を行います。

・セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語療法士)

医師と看護師のフィジカルアセスメントを、患者様の疾患や状態に応じて確認します。リハビリをする際、安全に「離床」させるために、とても重要となります。
また、訪問リハビリでは、フィジカルアセスメントをセラピストが行います。

 

最先端の機器と違い、患者様の目を見て身体に触れて行うフィジカルアセスメントは、コミュニケーションやラポール(信頼関係)の形成にとても重要です。
また、患者様の気分や体調の変化を直接うかがうことは、精神的なケアにも役立ちます。

 

フィジカルアセスメントの流れ

フィジカルアセスメントでは、初めに問診で主体的情報を集め、次に身体診察によって客
観的情報を集めます。そしてそれらを統合して判断をしていきます。

フィジカルアセスメントの流れ

1 問診・・・患者様へ質問をして、状態を確認します。
「体調はいかがですか?」「食欲はありますか?」「痛いところはありますか?」など

2 視診・・・視覚だけでなく聴覚・嗅覚も用いて確認します。
顔色はどうか?チアノーゼ、発赤は出ているか?むくみはあるか?など

3 触診・・・直接手で触れて、皮膚の状態を確認します。
皮膚の温度、乾燥または湿っているか?震えはあるか?など

4 聴診・・・聴診器を用いて確認します。
呼吸音や心音、お腹の蠕動運動など。特に左右差と正常音との違いに注意します。

5 打診・・・指先を使ったりして身体を軽くたたき、身体内部の状態を確認します。

 

フィジカルアセスメントの際のポイント・注意点

フィジカルアセスメントの際のポイントや注意点は以下の通りです。

・主観的情報と客観的情報を統合して判断する

患者様やご家族からの問診によって得た情報(主観的情報)と、視診・触診・聴診・打診などの身体診察から得られた情報(客観的情報)、そしてこれに検査結果などのデータも含めて検証して、判断をします。

・仮説ばかりに気を取られて自分の偏見で情報収集しない

患者様を見た直観や経験からの憶測によって仮説を立てることも必要になりますが、仮説に近づけるような偏った情報ばかりを集めてしまっていないか注意しましょう。
そのためには、広い知識と視野をもってフィジカルアセスメントを行うことが必要です。

・診断するだけでなく、その後の具体的なケアにつなげていく

フィジカルアセスメントは患者様に触れて、話を聴きながら行います。そこから得られる情報は、身体の状態だけでなく、患者様の生活の様子やご意向、ご家族のことなど、症状以外のことも得られるでしょう。
これらの情報は、その後の具体的なケアを考えていく時に最も必要です。

 

「リハビリテーションにおけるフィジカルアセスメントとは?」のまとめ

・フィジカルアセスメントとは、問診・視診・触診・聴診・打診の流れから得た情報を分析して、患者様の状態を判断することである
・リハビリテーションにおいては、医師と看護師とセラピストがそれぞれの専門的立場で確認し、情報を共有する。安全なリハビリを行うためにとても重要となる。
・フィジカルアセスメントのポイントは、主観的情報と客観的情報を統合して判断すること、自分の偏見で情報収集しないこと、そしてそのフィジカルアセスメントをその後の具体的なケアにつなげていくことである
・訪問リハビリでは、セラピストがフィジカルアセスメントを行う
・フィジカルアセスメントは、患者様とのコミュニケーションやラポールの形成においても重要であり、精神的ケアにもつながる

 

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この記事を監修した人

井川 玲子

井川 玲子 (京都大原記念病院グループ 看護介護部長)
※現在は同グループ ケアハウスやまびこ 施設長
看護師。足掛け41年にわたり京都第一赤十字病院および看護専門学校で専任教師・副学校長として勤務。長浜赤十字病院 看護部長を経て、平成21年4月1日より京都大原記念病院の看護介護看護部長として着任。現在にいたる。

※写真は京都”大原”の「大原女」に扮したときのもの

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