京都大原リクルートブログ

2021/04/19

患者様と一緒に、”できること”探し

セラピスト

言語聴覚士インタビュー

2015年入職
言語聴覚士
石井絢子

 

社会人から学び直して資格を取得

大学卒業後は一般企業に就職して1年弱勤めました。

 

唐突に「直接人に関わる仕事がしたい」という思いから一念発起しました。

 

言語聴覚士を選んだのは、言葉を話す・聞くという、生きる上でも大切なコミュニケーションに問題を抱える人のお手伝いができたらと考えたからです。

リハビリテーションの分野には理学療法士、作業療法士という仕事もありますが、私としては言葉で思いを伝えてやりとりするという部分が大切に思えました。

大学で心理学を学んだことも関係があるかもしれません。

 

 

丁寧な対応が転職先選びの決め手に

専門学校に2年通って言語聴覚士の資格を取ったあとは急性期の病院に勤め、次に生活期の在宅リハビリに対応するところへ転職。

 

今度はその中間にある回復期の仕事をしたいと転職先を探しているときに京都大原記念病院グループのことを知り、見学に訪れました。

 

病棟以外にも訪問介護や老人保健施設などさまざまな部門があることも魅力でしたが、決め手となったのはスタッフが丁寧に対応してくれたこと。

私は中途採用なので不安もいろいろあったのですが、親身になって話を聞いてくれたので、安心して頑張れそうな職場だなと感じたことが大きかったです。

 

個人的には周りの自然も推しポイント!

勤務先の京都大原記念病院は自然豊かな環境で、冬場は街で雪が降っていなくても病院に来たら積もっていた、なんていうことも。

周囲の自然から四季の移り変わりを感じられるところも気に入っています。

 

 

言葉のコミュニケーションが阻害された難しさ

言語聴覚士は、コミュニケーションと食事の専門職。

脳卒中、脳梗塞など脳に何らかの障害が起きたあとに言語障害を抱えてしまった方や、嚥下障害がある方が少しでも生活しやすくなるようにサポートするのが仕事です。

 

脳の病気では体が動かし難くなる場合もありますが、言葉が出ない、思いを伝えられない状態というのは、見た目は伝わりにくい分もどかしさを感じておられる患者様が多いように思います。

言葉で説明するのが難しいからこそ、私たちは患者様の状態をよく見て、何を考えているか推測しなければなりません。

 

患者様の立場に寄り添いながら、ご自身がわかっていること、わかっていないことをこちらで整理して理解していくというところが難しさでもあり、やりがいでもあります。

 

 

患者様のできることを探してご家族にも希望を

言いたいことがあるのに言葉を思い出せない患者様でも、ヒントから連想したり、物を指差したりすることで意思を伝えることができます。

このように、病後もその方が保っている機能をうまく引き出すことも私たちの役割。

 

中には伝わらないと諦めてしまう方もおられますけれど、ふいに言葉の詰まりが解ける瞬間ってあるんですよ。

諦めがちな方に対しては、こちらも諦めてしまわずに何かしら突破口を見つけていくのが重要。

その様子をしっかり観察して「こういうこともできるんですよ」とご家族にお伝えすることで、「なんとかやっていこう」と前向きな気持ちになってくださることもあります。

 

 

チーム医療でスタッフが連携

意見交換をするセラピスト

私は元々消極的な性格で、あまり大勢の人と関わるのが得意ではありませんでした。

でも京都大原記念病院グループはチーム医療が大きな特色となっているせいか、徐々になじんでいくことができました。

時間とともに心のつながりも強くなり、今では気兼ねなく意見を言い合えるようになっています。

 

グループ全体では言語聴覚士、理学療法士、作業療法士をすべて「セラピスト」と呼び、複合的にカバーし合いながら仕事をしています。

 

患者様に対しても、例えば一対一で訓練室の中でリハビリをするだけではなく、病棟生活の中で課題を見つけて解決していくようにしています。

例えば失語症の方だったら、訓練室で発声練習をするだけでなく、看護師さんに「トイレに行きたい」と実際に言ってみましょう、とかいうことですね。

 

おうちへ戻ったときの生活により近づけるようなリハビリをイメージし、スタッフ同士で患者様の状態を共有して、それぞれの職種のそれぞれの専門的視点から意見交換を行っています。

いわば「点」ではなく「面」で支えるという感じでしょうか。

1つの職種では限界があっても、チーム全体で関わるからできることってたくさんあるはず。

それはそもそもみんなが患者様を一番に考えているからこそ連携がとれているのであって、同時に患者様がスタッフをつないでくれているとも思います。

 

 

足並みをそろえて一緒に前進

患者様には「一緒に頑張ってくれる人」と思っていただきたいですね。

病気したあとって、以前の自分と比べて落ち込んだり、急な体の変化を受け入れられなかったり…「こんなはずじゃなかった」と思われる方が多いです。

そういうときにそばで援助できる人。

一緒に考えて探して、いい部分を引き出して伝えられる人。

マラソンの伴走者みたいな感じなのかも?

 

毎日リハビリをする中で、患者様の気持ちや体の微妙な変化に気付くのも私たちの役割ですから、ペースに合わせて励ましながら一緒に前進していく存在でありたいです。

 

 

支援の輪を広げる専門職を目指して

後輩指導するセラピスト

言語聴覚士の資格を取ってから9年目、ここに勤めて6年目になりますが、いつまでも「人の助けになりたい」という初心を忘れずに新しい知識を身に着けていきたいです。

 

これからは病院だけにとどまらず、支援の輪を広げていけるような働きかけができるセラピストを目指しています。

いろいろな職種、いろいろな施設の人と関わる機会を作るところから、地域のみなさんともつながっていけたら。

知識もあって、人の輪をつなぐこともできる専門職が理想の姿です。

 

立場が上になるにつれて後輩指導も大切な仕事になっていきますが、自分が1年目のときにはいろんな人に迷惑をかけた思い出がいっぱい…。

2年目、3年目になればまたそれぞれ心配なことが出てくるので、あのとき自分はどんなことで困っていたかなと思い出しながら、後輩と関わるようにしています。

 

 

京都の町並みとお香に癒される休日

何かと忙しい毎日ですが、休日は京都散策を楽しんでいます。

 

私は大阪出身なので以前から京都へ遊びに来ることはありましたが、住んでからはもっとゆっくり神社仏閣を見て回っています。

町並みもきれいだし、お気に入りスポットもいっぱい見つけましたよ。

 

コロナ禍の少し前からお香にハマっていたのですが、京都ではあちこちでいろいろな種類を入手できるので「いい趣味見つけたなぁ」と思っています。

家の中がいい香りになるとちょっとうれしいし、リラックスできるんですよね。

 

 

就職活動中のみなさんへアドバイス

就職って人生の中で大きな決断の一つですし、悩むこともたくさんありますよね。

 

私が大事だと思うのは、たくさん自分と会話して、どういう形で社会とつながりたいのか考えること。

 

目指す会社や業界で働く人の話を聞くのもいいですね。

 

あと、個人的には意外と通勤の条件は重要だと思っています。

毎日のことだから時間がかかりすぎるとしんどいし、うちみたいに寮があるならそこに住んだほうが楽かもしれません。

体力を温存しておくのも、やりたいことを続けていく秘訣だと思います。

 

たくさん考えて最後は自分の直感を信じれば、後悔しない就職活動ができるのではないでしょうか。

 

 

京都大原記念病院グループへの就職を目指すみなさんへ

京都大原記念病院グループは回復期リハビリテーション病棟が中心ですが、外来も病棟も老人保健施設も訪問介護も…とさまざまな部門があります。

 

例えば訪問介護をやってみたい、あるいは外来で頑張りたいという人も、落ち着いた環境で働きたい、逆に街なかの病院がいいという人も、幅広く受け入れることができるのは大きな医療グループのメリット。

働き始めてからキャリアアップを目指してほかの施設への異動を希望することもできますし、行き詰まった場合にも「ここしかない」のではなく「あちらでもやっていける」という選択肢があります。

いろいろな働き方、いろいろな経験ができるのは大きな魅力だと思います。

 

私が勤める京都大原記念病院でいえば、やっぱり自然が推しポイント(笑)。

病院から見える川のところを鹿の親子が歩いていたり、季節ごとの景色がきれいだったりして、患者様と話が弾むこともあります。

 

みなさんと働ける機会を楽しみにしていますので、一緒に頑張りましょう!

 

他の先輩セラピストへのインタビューもぜひご覧ください!

 

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