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高齢者で通院が困難な場合は?どんな対応方法がある?

こんにちは、京都大原記念病院グループ 往診専門診療所(大原在宅診療所)です。

 

病気による障害など、さまざまな理由により体が不自由な高齢者は定期的な通院も大変です。

一人で通院することが困難な方はどのような対応をしているのでしょうか。

 

今回は高齢者の通院が困難な場合に利用できるサービスや対応方法についてご紹介します!

定期的に通院しなければならないものの、通院が難しくて悩んでいる方はぜひご一読ください。

高齢者のお迎えにあがるケアサービスの車

 

【この記事の要点】

1. 一人では通院が困難な場合に定期的に受診するには家族の付き添い以外に、自治体や企業、ボランティア等が提供するサービス、訪問診療の利用等の方法があります。

2. 訪問診療は、患者様の自宅へ医師が訪問し診療してくれるサービスです。

3. 訪問介護(ヘルパー)は、自宅での準備の介助、病院の行き帰りに同行をしてくれます。

4. 車いすや、ストレッチャーに乗ったまま利用できる介護タクシーもあります。

 

それぞれについては、この後、詳しくご紹介します。

 

 

1. 高齢者で通院が困難!どうすれば?

高齢者が一人で通院するのが難しい……という場合、定期的に受診するためには次のような方法があります。

 

家族が通院の付き添いや介助をする

やはり頼りになるのは家族です。

公共交通機関を利用して通院する際はパートナーや家族に付き添ってもらう、病院まで車で送迎してもうなどの方法があります。

 

自治体や企業、ボランティアなどが提供する介助サービスを利用する

色々な事情から必ずしも家族が通院介助できるとは限りません。

そんな時には様々な団体で提供している介助サービスを利用するのも一つの方法です。

通院に付き添っての介助や車での送迎、車いすのまま乗れる福祉車両での送迎などもあります。

 

訪問診療を受ける

医師が自宅へ訪問して診療してくれる訪問診療、往診などという方法もあります。

 

 

2. 訪問診療の対象者は?通院が困難であれば利用できるの?

お薬とお薬手帳

病気や障害などで病院への通院が困難な方が、自宅で診療や治療を受けることができる訪問診療。

特定の病気やケガの方という事ではなく、病気やけがの内容は問わず自宅療養中であり、かつ自分一人では通院が難しいという方が対象です。

 

訪問診療の内容は、医師が定期的に訪問して診療する「訪問診療」と突発的な体調不良や急変などに対応する「往診」を含み、医師による診察、治療、投薬、相談など、一般的に病院で行っている診察や治療のほとんどを自宅にいながら受けることができます。

 

具体的な診療・処置内容

  • 診察、血圧測定、体温測定などの健康チェック
  • 点滴、投薬などの治療
  • 採血、検尿などの検査
  • 療養上の相談、指導
  • 床ずれの処置
  • 酸素療法、経管栄養法など
  • 経尿道カテーテル、各種ストーマの管理、ケア など

※具体的な対応内容は診療所により異なる場合がありますので問い合わせてみましょう

 

通院の負担軽減は、患者様ご本人にとっての負担軽減だけでなく、通院介助をされているご家族など、介護をされる方にとってのご負担の軽減にもつながります。

 

なお、訪問診療の詳しい内容や費用についてはこちらの記事でもご紹介しています。
訪問診療とは?定義や利用するメリットについて

 

3. 通院介助も対応できる訪問介護サービス(ヘルパー)

訪問介護とは、要支援や要介護の認定を受けた方が自立した生活を送れるよう、訪問介護職員(ヘルパー)などが利用者の自宅を直接訪問して、入浴、排せつ、食事等の介助などの「身体介護」や調理、洗濯、掃除等の家事といった「生活援助」を行う介護保険サービスです。

 

通院介助もサービス内容に含まれます。

通常は、通院に向かうまでの着替えなどの自宅での準備の介助から、病院までの行き帰りの同行となります。

注意が必要なのは、基本的に介護保険内で提供されるサービスが移動介助であって、病院内での介助ではない点です。

 

例えば、Aさんがこのような流れでサービスを利用したとします。

自宅で登録ヘルパーの介助を受けて出かける準備し、介護タクシー等で病院に移動。受付を経て受診し、また介護タクシー等を使って帰宅した。

 

この場合、訪問介護サービスとして介護保険が適用されるのは、自宅で出かける準備をし、移動に同行した部分のみです。

病院に到着後、院内での移動などについては介護保険適用外となり、事業所により対応内容などは変わります。

またそれ以外のタクシー料金などの交通費や受診料は実費負担となりますので、あわせて注意しましょう。

 

詳しくは利用を検討される事業所や、担当のケアマネジャーに問い合わせてみることをおすすめします。

 

 

4. 高齢者の通院が困難なときに使えるタクシーがある!

「介護タクシー」をご存知でしょうか。

車いすや、ストレッチャーに乗ったままでも利用することのできるようスロープや、リフトを備え付けたタクシーのことです。

 

最近では、乗務員が介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を修了されているケースもあります。この研修を修了することで、ご利用者の身体に触れる身体介助をすることが認められるようになるものです。

修了者が乗務員を務めている介護タクシーでは、送迎だけでなく車への乗降介助、家に帰った後の着替えの介助などもお願いすることができます。この点は事業所により異なりますのでご注意ください。

 

ちなみに介護タクシーの運賃はいずれにしても発生しますが、介助の部分は下記の条件に当てはまる場合は訪問介護に含まれる「通院等乗降介助」として、介護保険が適用となります。

※利用目的によっては認められない場合もあります。

 

  • 自宅(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅含む)で生活していること
    ※入院中や介護保険施設で生活している方は対象外です。
  • 要介護1以上の方
  • 「介護タクシーの利用が必要」と担当のケアマネジャーが判断した場合
  • 契約中の訪問介護サービスに介護タクシーのサービスがあること

 

よく似たサービスに「 福祉タクシー 」というものがありますが、下記のような違いがあります。

  • 乗降介助はご家族などが対応する必要がある(乗務員が研修を修了していない)
  • 介護保険サービスではないので、介護保険が適用されません。
  • 利用目的が通院等以外でも利用できます。

 

このように細かく異なる部分がありますので、利用を検討する場合は、まずは担当ケアマネジャーにご相談してみることをおすすめします。

 

まとめ

・高齢者など一人で通院するのが困難な方は、家族の協力や各種団体が提供している介助サービスを利用して通院したり、訪問診療を受けたりするという方法があります。

・病気やケガなどの自宅療養中の方で一人での通院が困難な方は定期的に医師が自宅へ訪問し診察や治療、投薬などを行う訪問診療を検討してみてはいかがでしょうか。

・通院困難な方に対して「介護タクシー」というサービスもあります。一人で通院することが困難な方に対して、福祉車両での送迎、通院に関わる介助などを提供してくれます。一定の条件に当てはまる場合、介護保険も適用となります。

 

京都大原記念病院グループ往診専門診療所(大原在宅診療所)は24時間365日、地域の方々の自宅療養をお手伝いいたします。

計画的にお宅に伺う訪問診療、必要に応じて臨時で診察に伺う往診も含めて訪問診療にも対応しています。また同じグループ内には訪問介護事業所もありますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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