大原在宅診療所 ブログ

ケアマネジャーとは?役割について

こんにちは、京都大原記念病院グループ 大原在宅診療所(往診専門診療所)です。

在宅療養生活を送るうえでは、在宅医療だけでなくさまざまな介護サービスと組み合わせて利用することが必要となります。
介護保険認定を受けると介護保険サービスを利用することができるようになりますが、さまざまなルールが存在します。

今回はこうしたルールを踏まえた介護サービスのプランニングを始めとした、総合的な支援する専門職「 ケアマネジャー 」の役割や仕事内容などについてご紹介します。

ハートを持つ女性ケアマネージャー

【この記事の要点】
1.ケアマネジャーは介護保険サービスをプランニングしてくれる介護現場の専門職

2.医療機関からの紹介や、お住まいの地域を管轄している「地域包括支援センター」、市区町村の介護保険の担当窓口などで紹介してもらう

3.安心の在宅療養生活に日常生活を支援する介護保険サービス事業所と適切に連携することは必須。中核になるケアマネジャーとは当診療所も密接に連携。

それぞれについては、この後、詳しくご紹介します。

 

ケアマネジャーとは

病院などに行かれた時に「ケアマネ」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。
これはケアマネジャーの通称としてよく使われる呼び方で、正式名称は「介護支援専門員」と言います。

一言で言うと、利用者の状態やご希望に合わせ介護保険サービスをプランニングしてくれる介護現場の専門職です。
2000年に介護保険法が施行されて以降、介護施設や、通所サービス、訪問サービスなど、細かく分類すると30種類以上存在します。
これらは、要支援・要介護認定(要支援1~要介護5)を受ければ誰でも自由に利用できるというものではなく、認定結果に基づき利用できるサービスの内容や量に一定の基準が存在します。

【介護保険サービスの一例】

●施設系サービス
特別養護老人ホーム
介護老人保健施設
グループホーム
ケアハウス
介護付き有料老人ホーム など

●通所系サービス
デイサービス
デイケア など

●訪問系サービス
訪問看護(一部は医療保険)
訪問リハビリテーション(一部は医療保険)
訪問介護
訪問入浴 など

●その他
居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
地域包括支援センター

こうしたたくさんのサービスのルールを理解し、利用者の状態やご希望に応じて必要なサービスを判断し、事業所と連携しながらサービスを利用できるよう調整を行います。
当然、介護保険サービスの調整だけでなく、医療機関とも日常的に連携を取りながらその方の生活を総合的に支援します。

 

【具体的な業務内容】

・ケアプラン(介護計画)の作成

・介護サービス提供事業所や行政機関との連絡、調整

・生活状況の確認

・介護保険の申請代行

・支給額限度額の確認と利用者負担額の計算  など

 

まとめるとケアマネジャーは、介護保険法に基づいて、利用者の自立した日常生活を支援する専門職(日本介護支援専門員協会倫理綱領)です。

当診療所も日常的にケアマネジャーと連絡を取り合いながら、その方にあった診療を行えるよう日々の診療に当たっています。

 

ケアマネジャーとどうやって会うの?

高齢者とケアマネージャーの人形

何らかの病気で入院治療を終えた時、
ご家族で介護をしていたもののだんだんと難しくなってきた時 など
介護保険サービスの利用を検討される主なきっかけはこうしたものです。

ケアマネジャーさんを探す方法には、入院している時はその医療機関にケアマネジャーを紹介してもらうことがよくあるケースです。
特に入院等をしている訳ではない場合は、お住まいの地域を管轄している「地域包括支援センター」(京都市では高齢サポートと呼ばれています)や、市区町村の介護保険の担当窓口などが相談に乗ってくれます。

介護保険サービスはケアプランがないと利用できませんが、必ずしもケアマネジャーが作成するものではなく、ご自身でプランニングされる方もまれにいらっしゃいます。
ですが、介護は1日、2日といったものでは決してありません。
ご本人やご家族がお互いに無理なく生活していくためにも、まずはこうした窓口を利用して相談されることをお勧めします。

ケアマネジャーは、単独やもしくは病院などに併設されている居宅介護支援事業所や、介護施設に直接在籍している方もいます。

 

大原在宅診療所とケアマネジャーの関わり

大原在宅診療所は患者様のかかりつけ医として、24時間365日体制で往診や訪問診療を担う医療保険の事業所となります。そのためケアマネジャーとして勤務するスタッフはいません。(同じ京都大原記念病院グループの介護保険サービス事業所には総勢約40名のケアマネジャーが在籍しています。各事業所は、人員体制や研修の実施、困難な事例に対する支援の提供状況などが基準となる特定事業所加算の算定基準を満たしています。)

当診療所には、医療ソーシャルワーカーが在籍し、医療機関や居宅介護支援事業所を始め患者様に関わる関係機関との連絡の業務や面談などの業務を担っています。

在宅療養生活の主役は患者様であり、当診療所はかかりつけ医として関わります。

日常生活を支援する介護保険サービス事業所と適切に連携することが安心の在宅療養生活をサポートするうえで必須であり、その中核になるケアマネジャーとは密接に連携しています。

 

まとめ

・ケアマネジャーとは正式名称を「介護支援専門員」といい、利用者が適切な介護サービスを受けられるよう総合的に支援する介護の専門職です。利用者一人ひとりの状態やご希望に合わせて必要な医療・福祉・介護サービスなどを組み合わせてケアプランを作成します。

・ケアマネジャーは入院中の医療機関などからの紹介や、お住まいの地域を管轄する地域包括支援センター、市区町村の担当窓口などを介して相談してみましょう。

・患者様の療養生活に於いて介護保険サービスとの連携は必須であり、大原在宅診療所では医療ソーシャルワーカー等を窓口に、密接に連携しながら診療にあたっています。

 

関連記事

2018年9月18日
ドクター登場!桑田克也医師 ヒトの「 健康 」について感じたこと
2019年8月22日
在宅療養のメリットとは?推進される理由と求められる必要性
2018年8月30日
訪問診療とは?定義や利用するメリットについて