食中毒ってなんだろう?
京都大原記念病院グループでは6月からの3か月間「食中毒防止キャンペーン」を実施しています。食中毒を防止するためには、食中毒の原因を知り・対策を講じることが必要です。キャンペーン期間中に食中毒とは何か?また予防するために大切なこと(予防の三原則)について二回にわけてご紹介します。 第一回のテーマは「食中毒ってなんだろう?」です。
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「食中毒ってなんだろう?」
食中毒は、その原因となる細菌・ウイルスがついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛・発熱・吐き気といった症状が起こる健康障害のことを言います。
食中毒菌に汚染された食品は、腐敗とは違い、臭い・見た目には変化がなく食べても気づかないのが特徴です。原因となる細菌・ウイルスは、特別なものではありません。土の中や水・人や動物の皮膚などにも存在しています。
高温・多湿となるこの季節は、細菌による食中毒が急増します。その中から、最近の発生件数や患者数より、特に注意したい2つの細菌を紹介します。
1.ウエルシュ菌
特徴:人や動物の腸管内、土壌などに存在。酸素がないところ(嫌気状態)でよく増え、増えるのに都合が 悪い環境では「芽胞」という殻を作る。「芽胞」は熱に強く、100℃の熱にも1~6時間耐えることができる。
症状:腹痛や水様性の下痢。潜伏期間は6~18時間。
事例:平成28年4月、八王子市内の介護付有料老人ホームの利用者22名が下痢の症状を訴えた。当該ホームで提供される食事は外部の営業者が作った弁当であった。弁当の「じゃが芋の甘辛煮」からウエルシュ菌を検出した。この弁当を食べた従業員のふん便からもウエルシュ菌を検出した。
ウエルシュ菌の原因となりやすい食品は『煮込み料理』です。カレーやシチューなど大量に作る際は、調理後に早く食べきるか、室温に置かず小分けにして冷蔵庫で保管しましょう。
2.カンピロバクター
特徴:牛、豚、鶏等の腸内に存在。肉の生食や加熱不足が食中毒の原因となることが多い。
症状:下痢、嘔吐、発熱。まれに感染後にギランバレー症候群を発症することがある。潜伏期間は2~7日。
事例:平成28年ゴールデンウィーク、東京都や福岡市で開催された「肉フェス」で、湯通しや炙ったりした 半生の鶏肉を食べた約600人以上がカンピロバクターによる食中毒となった。
夏場は、バーベキューやピクニックと屋外で調理したものを飲食することが多くなります。
特に次のポイントに注意して、楽しい季節を過ごしましょう。
① 食材にさわる前、さわった後は石鹸で手を洗う
② 食肉や生魚を加熱不十分な状態では食べない。
③ 『生もの』を扱かったトングや箸は、焼きあがった食材を食べるときには使わない。
厚生労働省 「家庭でできる 食中毒予防の6つのポイント」
第二回のテーマ 「予防するために大切なこと(予防の三原則)」
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