京都大原リクルートブログ

2017/10/25

「トランス」とは?介護の現場で使われるトランスの意味と方法

介護職

こんにちは!京都大原記念病院です。

みなさんは介護の現場で使われている「トランス」という言葉を聞いたことがありますか?
初めて聞いた人や、聞いたことはあるけど意味はわからない…という方もいるのではないでしょうか。

今回は、介護現場での「トランス」の意味や方法について見ていきましょう。

 

介護における「トランス」の意味とは

「トランス」とは「トランスファー」の略で、「移動・乗り換え」という意味です。

介護用語としてのトランスの意味は、ベッドから車椅子などへ乗り移りさせる「移乗動作」のことを言います。

高齢になるにつれて、足腰は弱くなっていきます。車椅子を使っている方で、移乗に介助が必要な方もいるでしょう。
寝たきりにならないためにも、ベッドから起きて、自分のことはできる限り自分ですることが大事になってきます。

車椅子を使う人に安全に乗り移りしてもらうためにも、トランス介助の方法をしっかりと理解しましょう。

 

介護現場で必要なトランス介助の方法とは

トランス介助の場面は様々です。

たとえば、
・車いすと自動車の間
・車いすとベッドの間
・車いすと床の間
・車いすと移動のために使用するリフトの間

といった日々の移動で何度も繰り返されるのが特徴です。

 

ここでは、ベッドから車椅子への移乗方法をご紹介します。

 

ベッドから車椅子への移乗

①ベッドと車椅子の高さを同じにする。
②介助を受ける人は介助者の肩へ、介助者は介助を受ける人の腰に腕を回してしっかりと組む。
③介助を受ける人が前掲姿勢になるように、介助者は腰を落とす。
④介助を受ける人を一度立ち上がらせ、車椅子にゆっくり座らせる。

この間の声かけは、こまめにしっかりと行ってください。
次に行う動作がわからないまま引き寄せられたり離されたりすると、介助を受ける人は不安になります。

また、介助を受ける人の体勢をなるべくスムーズに動かせるような位置でキープし、移動範囲を最小限にすることも大切です。

移乗の際には車椅子にひっかかって転倒することも考えられます。
高齢者の骨は弱くなっているので、ちょっとしたことで骨折する場合があります。
転倒事故には特に注意しましょう。

 

トランス介助で気を付けたいポイント

トランス介助で一番気を付けないといけないことは、介助を受ける人が転倒しないことです。
先ほどもご紹介しましたが、介助を受ける人の転倒は骨折につながりやすく、ケガの影響で寝たきりになることも珍しくありません。

転倒せずにトランス介助するためには、介助者に対して介助を受ける人が安心して身を任せられることが大切です。
そのためには、介助者が利用者様の体の状態や障害の程度を把握し、一人一人に合った介助を行わなければなりません。

一人一人の力に合わせて介助を行うことは、身体機能の維持や向上を目指して自立につながる介助を行うためにも重要なポイントとなります。

また、介助者も腰痛などになる可能性が高いのが「トランス介助」です。
自身の体への負担を軽減させるためにも、それぞれのシチュエーションにおいて対応できるよう、トランス介助の正しい知識を身につけましょう。

 

まとめ

・「トランス」とは「移動・乗り換え」という意味。介護現場におけるトランスの意味は、ベッドから車椅子などへ乗り移りさせる「移乗動作」のこと。

・トランス介助の正しい知識や方法を身につけることによって、介助を受ける人と介助をする人の両者にとって安全な移乗ができる。

・トランス介助を受ける人の転倒は、その後の生活に悪影響を及ぼす可能性があるので要注意。

・トランス介助は、腰痛になるなど介助者側にも影響が出る可能性が高い。自身の体への負担を軽減させるためにも、正しい方法で行う必要がある。

 

介助を受ける人の安全を第一に考え、自立を助けるトランス介助を心掛けましょう。

 

この記事を監修した人

磯部 直文

磯部 直文 (人事部 介護職 採用担当責任者)
京都大原記念病院グループに介護職として入職。介護老人保健施設( 入所/通所リハビリ )で現場職員として約15年間従事。グループの介護職 教育担当者を務めた後、事務職へ転身。人事部 介護職採用担当責任者として、日々、学生対応にあたる。京都市認知症介護指導者。

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